数か月更新が空いてしまい申し訳ありません。あれからずっとDFFTの話下書きしてます。
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……まあそれはさておき2022/07/27~/28、第8回アフリカ開発会議TICAD8が開催されました。
会議の内容についてはチュニス宣言の詳細が判明してから……と思っています。
※昨日2022/08/29外務省HPに掲載されましたが、読むのに少し時間をください。
が、今更状況を確認していたところ頭の痛くなる情報が。
いえ、3年間で4兆円のアフリカ「支援」とかの話ではありません。
これはこれで「300億ドルの官民合わせた資金投入(直接投資)だろ日本語読めないのか」とか、「TICAD7期間の詳細は公表されてないけどTICAD6期間(2016~2018)の3年で356億ドル達成してるわヴォケ」とか、マスコミや便乗するネット界隈には確かに頭が痛くなりますが……その件ではありません。
TICAD開催時に毎度懸念されていた西サハラがホスト国チュニジアの手引きにより会議参加。同地の領有権を主張し西サハラの国家主権を認めない立場のモロッコがTICAD8不参加を表明、
さらにこの行為にギニアビサウ・(現アフリカ連合議長国)セネガル・コモロ諸島、
その他中央アフリカ・赤道ギニア・ブルンジ等が抗議、リベリアに至っては
“the suspension of this session until the resolution of the problems relating to the procedures”
>手続きに関する問題が解決するまで、このセッションの中断
を求める事態となりました。
チュニジア側はアフリカ連合第41回執行理事会の結果に基づく参加要請だと主張、この主張に反対する側は日本・チュニジア両首脳の署名による招待を受けた国家以外の参加は認められていない旨強調していますが、この辺になるとよくわかりません。
※アフリカ連合のHPで調べても、Decision762が出てこないんです……。
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そもそも2017年の閣僚会合で
と報じられた通り、西サハラとモロッコの関係はTICAD会合の悩みの種の一つでした。
まあアフリカ連合側からの希望も汲んで、横浜開催のTICAD7でも透明人間的な抜け道が探られたようですが……今回はチュニジア大統領の随伴でレッドカーペットでのご招待、抜け道なんて代物ではありませんね。
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毎度のことながら西サハラやモロッコ側の領土に関する主張について、私はここで言及する気はありません。
そしてそれは、今回モロッコと共に西サハラの参加に抗議した数か国も同様であったと思われます。少なくとも調べた限り、当該諸国が西サハラ及びその背後にあるアルジェリアに対して特別な悪感情を持っていたという記事は見当たりません。
とにかくTICAD参加における日本とアフリカのコンセンサスを破った、チュニジアへの悪感情が強かったと思われるのです。
そもそもチュニジアがTICAD8主催国に決定したのは2020年7月でしたが、同国の評判は大統領Kais Saiedが2021年7月に起こした当時の首相解任と議会停止措置以降急速に悪化しました。その後迷走を経て最近はアルジェリアに露骨に擦り寄り、それまでの友好国と縁を切る形の外交を展開しています。
そしてその迷走の末、残念なパートナーを掲げる外交スタンスをアフリカ圏外へのお披露目する舞台として使ったのが、選りにも選ってコロナ禍やウクライナ侵攻を念頭に置きアフリカの団結と国際秩序への回帰を訴えるTICAD8だった訳です。
実際にここでお披露目されたのは昨年来失政を繰り返すKais Saiedへの国際的失望だけでなく、高騰する化石燃料を武器として各国への圧力を加えるアルジェリアという大陸内の新たな懸念でした。
特にアルジェリアが今年に入りフランスやスペインへの干渉を化石燃料という新たな武器を以て行う様子は、ウクライナ侵攻後に燃料戦略で欧州を圧迫した国際秩序への挑戦者であるロシアを髣髴とさせる問題があった訳です。
国際秩序に向けたアフリカの団結を訴えるべきTICADの場で取られた、チュニジアの時宜を顧みない一方的な行動。それはアフリカ内部の分断と、分断の一方の側にあるアルジェリアに対しロシアとの戦略面の不名誉な一致を促した側面もあるのです。
その意味では今回のチュニジアの横紙破りの措置は、自国のみならず背後にいるアルジェリアまで被害をもたらす藪蛇的失策であったと言えるでしょうね。
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なお複数のメディアによると第一回セッションの最後に日本代表団が
“TICAD is a forum for discussion on the development of Africa.”
“The presence of any entity, which Japan does not recognize as a sovereign state at TICAD 8 meetings, including the Senior Officials Meeting and the Summit Meeting, does not affect the position of Japan regarding the status of this entity.”
>TICADはアフリカの開発に関する議論の場である。
>高級実務者会合や首脳会談を含むTICAD8の会合において、日本が主権国家として認識していないいかなる主体の存在も、この主体の地位に関する日本の立場に影響を及ぼさない
と日本側の西サハラに対する立場を表明した旨伝えています。
外務省のHPでは確認できませんが、TICAD7までの日本側の対応を見る限り、まあ違和感のない反応だと思われます。
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