パラオのADS(承認目的地ステータス)

承認目的地ステータス
(Approved Destination Status 以下ADS)とは、
中国人向けの観光に適い得るだけの諸整備を対象国に要請したのち、二国間協定によって観光地としての承認を与える制度の事です。

……日本語での名称は「承認目的地ステータス」以外も色々在るようです。

ADSを受けた国、及び観光業者だけが、中国からの団体旅行客の受け入れを許可されています。
非承認の場合は個人旅行やビジネス・公的な出入国のみに制限されます。

一般的に、中国の海外旅行は団体旅行4割、個人旅行4割、残りがビジネス・公的旅行と言われており、ADSが何らかの形で取り消されると、理論上4割の顧客が失われる事となります。


※※※※※※※※※

……さて、先日の自分のブログ『TICADAUと(2)』
https://tenttytt.hatenablog.com/entry/2019/03/03/004405?_ga=2.257675080.296139328.1550833429-2060743813.1489325303
において、中国の海外戦略の話を書き込む際に
https://www.theguardian.com/global-development/2018/sep/08/palau-against-china-the-tiny-island-defying-the-worlds-biggest-country
『中国に立ち向かうパラオ!:巨人に立ち上がる小さな島』というガーディアン紙の記事を引用しておりました。

ブログでの書き方のため、この記事の内容が
まるでパラオが元々ADSの承認対象国で、2017年に中国から対象国除外の扱いを受けた結果、観光客数にダメージを与えたような印象を受けられた方がおられたかも知れません。

実際にはガーディアン紙記事の2節目の部分に概要が書かれておりますので、そちらをご確認願います。

また、中国人観光客の実際の減少については
https://www.palaugov.pw/visitor-arrivals/
こちらでも確認出来ますが、2015年をピークに減少を続けており、2017→2018年の変動幅はその前年・前前年と比較してもます。その辺りの背景についても同紙に掲載されております。

ご覧になった方々に誤解を生む表現となっている事、お詫び申し上げます。

※※※※※※※※※

2010年代前半に急増した中国観光客に対して、パラオ政府はいち早く自国観光産業に相応しい対策を行っていたという事と
2017年にADS非対象国への団体旅行への締め付けが厳しくなったという事です。